てくてく

日々の作曲に

Bonjour! 現代文明

またまた書くのを忘れていた!

 

今年11月1日(日)に京都にある「Bonjour! 現代文明」というところでひっそりと実験室での化学実験のようなライヴをすることに。というか僕が中心となって主催ということではなく乗っかる感じ。えーと、いつぶりだろう?ライヴは。Bonjour! 現代文明はアップライトだけどピアノもあって畳ばりの空間で静か。少しだけ参考音源をそこで鳴らさせてもらったんだけど畳が音をいい感じに吸うのか響きがうまくまとまる。電子音だけ試聴させてもらったのだけど、電子音と畳っていいね。

 

日付と時間以外はまだ何も決まってないけど、僕は恐らくMacBookProか、もしくはiPadとかコントローラーなどを持ち込んで演奏すると思う。ピアノを弾くかどうか迷うなぁ。

おぉっと

だいぶ書いてなかった…!

 

こないだ東京に行って映画やってる友人に久々に会った。2007年頃に彼の自主制作の映画のサントラをやらせてもらったことがある。彼は今年中に公開する映画の追い込みをやっていて編集に試行錯誤をしているみたい。彼は青森出身で2011年の福島原発事故以来、六ヶ所村の再処理工場の問題を中心に原発の問題を考え続けていて、今回の映画もそれに関するテーマのようだ。音楽はどうするんだろうと思っていたら「最初、モーリー(僕のこと)かダメもとで坂本龍一に頼もうかと思っていた」という。でも結局はネットで見つけたかなり年配のミュージシャンに頼もうかと今考えているという。僕の音楽については「まだ若いという感じがあり、聴かせようとしてしまっている」とのこと。もっと瞑想的な音、全然聴いてる人のことを考えていないかのような音楽をサントラとしてはイメージしているらしいので僕の音は少し違うのではないかと思うに至ったようだ。というか、最近彼に渡した僕の音源がたまたま聴きやすそうなのを渡したからそう思っただけのようにも思うけど…。

 

ところで彼が言うには「坂本龍一は自身の遺品整理のような作業をしている」らしい。過去の音源のリマスターや未発表音源をやたら最近リリースしていると思ってたらそういうことなのか?それは構わないけど、やったらめった最近の公演をDVDとBDでセットにしてリリースしたりリマスタリング以外の何の付加価値も無しにリリースしまくるのはやめてほしい。決して安い値段じゃないし。個人的には過去の同一音源とリマスター盤との比較試聴とかにはあまり興味がない。エンジニアリング的な耳で聴くことになるし。確かにある種の音楽はその音質と音楽的イデーみたいなものは一体化していて切り離せないものはあるけども、坂本龍一の音楽は全てがそうではないと思う。

再び

またまた絶対音感話。最近「絶対音感神話」というある研究者の話を読んだ。わりと面白かった。

 

ところで大学の時に同期の作曲の女の子が作曲のレッスンの時に先生に「君は作曲をする時どうしてるのかね」と聞かれ「ピアノを弾きながら作ります」と答えたところ、「じゃあ君は無人島に行ったら作曲家じゃないわけだ」と言われたという。つまり楽器に頼らなければ作曲が出来ない、絶対音感がなければ楽器に頼るしかないので何もない無人島のような所(端的に楽器が使えない状況)だと作曲が出来ない人になってしまうんだね、という意味らしい。

 

まぁそう言われればそうなのかもしれないけど、でももし仮に無人島という場所に限定するならば彼女は恐らく別の方法で作曲するんじゃないかな。西洋の音律で出来た音楽を諦めて木の棒とか石とかを鳴らして、そこでしか出来ない音楽とか。

 

別にそういうふうに作曲家だけに限定しなくても他の専門職の人であっても普段自分が使ってるツールがなきゃ出来ませんてなことはありうるわけで。

 

 

機材話のついで

僕が大阪音大の1回生だった時に院2回生の石川さんという人がいて、その人が年間に使う機材代が400万円だったという話を聞いた。どっからそんな金が捻出できるんだ!?この人は当時(いや今も)相当に坂本龍一YMOにかぶれていて(僕も在学中はほとんどコピーのような曲を作ったりして結構バカにされたものだ。坂本龍一の音楽を対象化し、きちんと距離を置いて冷静に見られるようになったのは卒業してからだ)、自身のテクノユニットでもYMOそっくりの曲をやってらしたなぁ。

 

石川さんは現在Technoboys Pulcraft Green-Fundという長ったらしい名前のユニットでご活躍中。作品もリリースされてる。でも在学中はTechnoboysという名前だった。しかしテクノボーイズて…!

学生の頃時々喋ったなぁ。当時石川さんはかなり美しい顔立ちで(今は完全なオッサン)才能溢れる青年という感じで僕は相当(YMOそっくりな曲を書いてしまう所はともかく)好きだった。

書いていいのかどうかわかんないけどご本人はよく「オレは右翼だ!」と言っていて実際「陛下」というソロユニットをやっていた。CDRだったけど4曲入った『憂国』というタイトルのミニアルバムがあってタイトル曲の「憂国」というのがかなり良い。この音源は今も持ってる。昭和天皇玉音放送の音声を使った曲でチープな感じのピアノがピャラピャラしてて分厚いシンセストリングスがグワワーン!と鳴っていて右翼とか関係なく音楽として美しい。「陛下」はもうやらないのかなぁ。僕が4回生の時、石川さんにたまたまどこかで会った時に「『陛下』はもうやらないんですか?」と聞いたら「あれを続けてるとオレの命が危ないからな」と言っていた。陛下名義でblogは書いてるようだけど。

僕の音楽制作機材ネタ

Apple MacPro(2010年モデル)がメインマシンでオーディオインターフェイス(音の出し入れを担当する機材)がUniversal Audio社のApollo Quad。ミキサーがMackie社の1402VL23。

 

シーケンスソフト(DAW:デジタル・オーディオ・ワークステーション)がMark of The Unicorn社のDigital Performer7(最新ヴァージョンは8。このソフトに音を打ち込み、つまり作曲するためのソフトで肝心要の物。2004年に初めて買った時は4だった。当時のヴァージョンは9万円ぐらいした。今は5万円台になっていて内容もすごく進化してると思う。もちろんこのソフトに限らないが。ちなみにこのソフトを選んだ理由はその時同じ作曲学科の同期の友人がこれを使っていてわからないことがあれば彼に質問できるなと思ったから。現在DAWソフトは各社から無数に販売されていて今からこういったソフトで音楽作りをしようとする人は一体どういう基準で選べば良いかチンプンカンプンだろうと思う。というぐらい多機能で種類も多い。でも基本的な機能は見た目が違うだけで大体同じ。特色がそれぞれ異なる)。最近OSを最新にしようと思っているんだけどそれを機に他のDAWに乗り換えようかと考えている。一応他社製品もチェックはしているのだけど僕の欲しい機能が他社のほうがどうやら優れている模様なので。

 

波形編集ソフトがBIAS社のPeak6(BIAS社は現在解体されて存在しない)、音源ソフトはMark of The UnicornMACH FIVE2(最新Ver.は3)、Native Instruments社のKomplete7(ドイツの会社。CompleteではなくKomplete。最新Ver.は10。文字通りNative Instruments社が出してるソフトのほとんどがコンプリートされている。最近こういった「全部入れときました」的なのが多いね)。モニタースピーカーはYAMAHAのMSP3(中学3年の時に初めて買ったシンセが大阪日本橋にあるTAKE OFFという楽器屋で院を出てすぐにここでこのスピーカーを買った)、入力用鍵盤がM-Audio社のKeyStation88 es(現在廃盤。2オクターブくらいしかない鍵盤で打ち込みをする人も多いけどピアノに触れてきた人ならやっぱり88鍵サイズじゃないとなんだか落ち着かないんじゃないかという思いがいつもある。なので当然88鍵)。

 

プラグインエフェクト系ソフト(リバーブやコンプレッサーなど音そのものを変化させるためのもの)はWAVES社のMercury。WAVESはこういったソフトでは最高峰だと思うのだけど如何せん高い。でもこれを入れておくとWAVES社が出してるプラグインソフトが全部入ることになるので思い切って買った。100種類以上がここに入っている。個々のプラグインはバラ売りもされている。このMercury、定価で買うと70万円を超える。しかしWAVESは年間にやたらとセールをしていて、しかも平気で60%オフとかする。メールでしょっちゅうWeekendセールを知らせてくるし。確か28万円ぐらいで買ったんじゃないかな。

 

以前はハードウェアの音源もあったのだけど場所と電源を確保する必要があるので面倒になったので売ってしまった。ソフト音源だと全部Macに入るし物理的な場所を取らない。もちろんハードはハードで、ソフトはソフトでそれぞれプラス面がある。両方織り交ぜる人も多い。中田ヤスタカのような人は全部ソフトで完結させている。

 

そしてこれらの機材を設置するための机は200cm×90cmの、机というより6人がけのテーブルを使っている。僕は面積の広い机が大好きなんだけどこういったサイズはなかなかなくて以前探しまくって3万円の安さで見つけた。他の人はそういうことをしないようだけど僕は譜面も書くので譜面を書くスペースが同じ机の上にあるほうがいい。だからどうしても大きい机が必要になる。これでもスペース的に足りないので小さめの机をさらに3つ、このメインデスクの周りにくっつけている。はっきり言って部屋の半分は机。

 

色々書いたけど実は僕は毎月のように出る様々な新製品にほとんど興味がない。一応どういうものがあるのかは見るんだけど基本的には本当に自分が必要だと思うもの以外はどうでもいい。色々新製品を試す人もいるけど音楽的アイデンティティみたいなものが機材に振り回されたくないので。アイディアを実行する上で必要なものを入手する程度。もっとこうなればいいのにと思うことはある。

 

 

また絶対音感ネタ

で思い出したのだけど、院の授業で管弦楽法というのがある。この名称の講義自体は3回生で既に作曲学生は受講済みで内容はオーケストラで使われる各楽器についての概論と実際に学生がベートーヴェンシューマンピアノ曲の一部を例えば木管五重奏やオーケストラに編曲し、助手の人にあらかじめ書いたスコアを渡しておいてMIDIによる打ち込み音源を講義の時間にみんなで聴き先生に批判・批評してもらうというもの。院生での管弦楽法はもっと踏み込んでもっと長大なオケ作品を一人一作を担当して楽曲構造とオーケストレーションの中身について分析して発表する。僕はストラヴィンスキーの「春の祭典」をやった。

 

で、その授業の時間は僕を含めた院生が4人と教授の鈴木英明先生なんだけど院の授業というのは結構余った時間に先生を囲んでチャイムが鳴るまで喋ることが多かった。どういう流れでその話になったのかは覚えてないけど、鈴木先生武満徹の話をし始めた。武満はピアノ技術が全然ダメで且つ絶対音感が無かったので作曲する時にたどたどしくピアノをつま弾きながら作曲をしていた、と。なので武満の曲にはテンポの速い曲がほとんど無い。テンポの速い曲を作るには絶対音感の無い武満に速いパッセージなどを弾きこなすだけのピアノ技術がないとそもそも作曲できない、という話だった。実際武満自身がどこかでこんなような話をしてるんだけど、絶対音感が無くてもピアノが下手でもテンポの速い曲は作れるけどなあ??と当時も思ったし今も思う。たとえつま弾きながらでも完全にピアノで音をたどれなくともきちんと瞬間瞬間の音さえ想像できれば(おぼろげであっても)テンポなど関係さなそうだけど…。そうすれば実際現場で初めて奏者に鳴らしてもらった時そんなに「思ってたことと全然違うことになってしまった!」ということは無さそうだと思うが。確かにどんな作曲家でも書いたものを実際に音として聴いた時はその印象は書いていた時とはまた別なのだという話をするけども、これは頭の中で想像する音を内的な耳(心の耳)で聴く体験と実際の耳で聴く体験(空気の振動として鼓膜に届く音波を拾う体験)とは聴取体験の質そのものが違うという意味なのでまた話が別だ。

あの武満の話なわけだけど聞いた時は結構意外だった。まぁそこは作家それぞれか、というふうに思うしかないのか。

 

ということを思い出したところで今日はここまで。

あれ、何を

書こうと思ってたんだっけ忘れた。

 

 

以前からあたためてるアイディアがあって、音と完全に同期する映像も含めてなんだけど最近は映像をクリエイトするツールの価格のハードルなどは下がってるのであとはアイディア次第だろうとは思う。でも自分で映像も作れるか?そんな高木正勝みたいなことできるかなあ。